木造住宅協会で今回は福井県方面です。
金沢駅AM8:00出発。バス1台で一路 福井県武生に向かいます。
今回の講師は福井工業大学 建築学科 准教授 吉江 勝郎 先生。
見学は3ヶ所(芹川邸・福井県陶芸館 茶苑 越知庵・右近家)
芹川家・・・ここは越前市、日野川河畔の松樹林に囲まれた中にあります。
敷地は約1,500坪。この中に茶席・池・庭があり、抹茶席に煎茶席を併置している。
見学はまず煎茶席から。趣きある玄関。左側の竹は黒竹です。
黒竹です。初めて見たのですが、生え際も黒い!!
寄付までの庭石。
寄付。少し小雨が降り、しっとりとしたもみじ。
煎茶の茶亭群雀荘
一般に煎茶とは急須に茶葉を入れ湯を注いでから飲みます。
私は自宅や会社でもその様にして簡単にしておりますが、煎茶道となればまた別で
この事についてはよく知りません。今回横江先生が詳しく説明して下さいました。
煎茶席は意匠において中国風な味わいのあるものが求められる。
中国の田舎のゆったりした部屋造りをする。
抹茶に比べ煎茶はただ茶を喫するにふさわしい快適な場が求められ、抹茶の世界の作法や建物の決まり事等を比べられると開放性がある。
制約もあまり無く明るく伸びやかな空間を作る。外観にはそれが試みられている。
特にあるとすれば竹を取り入れている。6帖の出書院窓に擬竹を氷裂模様にあしらってある。
客は寄付から茶席に入り、まず茶を飲む。
次に隣の部屋で詩を書く。そして音を楽しむ(茶と詩は逆かもしれません)
建物が古いので5~6人ずつ茶席に入り、2畳台目の席、畳が傷んでおり、
ついつい仕事柄、「なんとかならないかなあ~」と感じてしまいました。
琴石。この上で琴を奏でる。
飛び石の向こうには春日灯篭が見えます。
飛び石沿いにしばらく歩くと左に大きな松の木があり、
この木を境に庭の様子が変わります(煎茶の庭から抹茶の庭へ)
ここでゆっくり畳を拝見。最高の畳表が使用されており思わず右手で撫でてみた。
京間の巾広い艶のある畳表。
茶室 去庵。
去庵の4畳半の茶室に同行者5人で入る。
暗い茶室もしばらくすると目が順応し、ゆっくり見回すと下地窓が2窓。
とってもいい感じ・・・。
中の男性人が茶室のうんちくを語り始め、後の4人は「うん、うん」とうなずいて聞くのみ・・
今回の芹川邸はご当主の祖父 善左衛門さんが昭和3年にこの広大な土地を求められ、
煎茶の茶亭「群雀荘」を営んだ事に始まる。
証券会社を経営し財をなし、その間趣味で茶道具収集。
その間裏千家流の茶を好み、福井では知られた数寄者。
証券会社事業も陰りが見えるとたたみ、その後農業と茶道具商を興し本格的な茶苑造営を始め、
昭和23年に池や去庵を作り現在に至る。
現在のご当主は善左衛門さんの孫にあたり、福井美術館の館長職であられる。
この日は休日と申され私共見学者に横江先生共々説明に加わって下さいました。
研修会に同行したYさん、群雀荘の前にもち穴石、去庵の前庭にのぞき石があると。
もち穴石はとりもち作りに使用するもちの葉をこねてヤニを作る。今の人に言ってもわからないでしょうねえ~
横江先生、芹川様、研修会同行の皆さん
色々と教えて下さって有難うございました。感謝です。