[社長の武澤がインタビュ-!]畳の張り替えを葛巻内装に依頼した金沢市寺町の長久寺

金沢市寺町にある曹洞宗・長久寺(ちょうきゅうじ)。前田利家公の妹「津世姫(つぜひめ)」の菩提を弔うために、約400年前に創建されました。令和という新しい時代に住職の交代という大きな節目となる長久寺。本堂のメインの畳を新しくすることになった、住職の星野正親さんに社長の武澤がお話をうかがいました。

金沢市寺町にある400年以上続くお寺

長久寺のあゆみ

武澤

長久寺の歴史は長いとお聞きしましたが。
はい。1608年に創建されたので、かれこれ400年の歴史があります。私で29代目なんですよ。

住職

武澤

400年もですか。歴史があるお寺さんなんですね。

境内に入ると、正面には前田藩にゆかりのあるお寺にだけに許される梅鉢紋。行事のときは梅鉢紋の幕が登場します。2019年は長久寺にとっても重要な年。先代の住職から新住職が交代する「晋山式(しんさんしき)」が10月に行われました。

境内で感じる四季

武澤

境内にある銀木犀、とっても立派ですね。お寺よりも高さがある大きい木を見たのは、初めてでした。
はい。創建された当時からあると聞いています。

住職

お寺の山紋をくぐると立派な2本の銀木犀の木が目に留まります。毎年9月下旬に花が咲く時期は、甘い香りが境内に広がります。昔は銀木犀が主流で、突然変異でできたのが金木犀だったそう。ここまで大きな銀木犀の木は県内でも珍しく、金沢市の保存樹としても指定されています。犀川と市内が一望できる高台の立地にある長久寺。眺めもさることながら、境内には桜にツツジ、紫陽花や椿と四季折々の花が楽しめます。

令和という新しい時代に新しいご縁

葛巻内装に依頼されたきっかけ

武澤

長久寺とは、最近になってお仕事させていただくようになりましたが、葛巻内装を選んだきっかけは?。
実は畳を張り替えるとき、どこに頼むか弟に相談したんです。そのときに弟が葛巻内装さんはどうかと勧めてくれました。

住職

以前は、工務店経由で畳屋さんにお願いをしていた住職。前回の畳を入れ替えたとき、畳を敷く土台部分の畳床があまり良い状態ではありませんでした。今回は、その土台も含め入れ替えを検討していたとき、住職の弟さんの紹介でご縁が繋がりました。お寺では、たくさんの畳が必要です。全部取り替えると、それなりに予算もかかります。長久寺さんからご相談をいただき、葛巻内装では、以前本堂で使っていた畳は、別の場所で使えるように縁の張替えも行いました。

お寺の畳の特徴と直線美

住職

お寺に畳は必需品。10年おきに新調や表替えを行っています。
お寺では普段から目にしている畳なので、目新しさは感じないかもしれませんが、注目していただきたいのは紋なんですよ。

武澤

本堂の畳の敷き方は、宗派によっても違うそうですが、今回は、お釈迦様を中心にして、畳が一直線になるように敷いてあります。畳のサイズはお寺の規模によって寸法が異なるため、綿密に計算した上で作成。1間の寸法と、全体のバランスも考えた上で寸法を計測することも大事なポイント。当然のことですが、割り振られた一枚一枚を畳職人は正確に仕上げていきます。葛巻内装にはしっかりと鍛錬を積んだ職人がいるからこそ、当たり前としてできる仕事なのです。

紋縁と畳の難しさ

住職

この紋縁の柄がぴったりと揃っていますね。畳と違う素材を使うので加工も一筋縄ではいかないのでしょう?
そうなんです。これにも熟練の技が必要です。そして畳職人にとって一番の腕の見せどころが、紋合わせなのです。

武澤

畳が綺麗に一直線であると感じるのは、畳の縁にある紋縁(もんべり)に理由があります。一般のお宅では畳縁(たたみべり)を使いますが、お寺の畳には、紋が入った縁:紋縁(もんべり)が使われます。

一つ一つの紋の円が綺麗に表に出るように畳に縫付けるのはとても難しい作業。また、隣り合う紋縁が平行に並ぶよう、畳職人が頭で考えながら作業をしていきます。縦と横の畳が重なる部分は4つの紋が綺麗に並ぶという職人技が光ります。普段何気なく使っている畳ですが、一枚一枚丹精込めて畳を作っているということがよくわかります。

国産い草に対するこだわり

武澤

今回の畳の原料であるい草は国産を希望されていたので、熊本産の最高級のい草を使わせていただきました。
ありがとうございます。国産という部分は妥協したくなかったですね。

住職

畳の原料になるい草はインドから伝わった植物で、日本国内では熊本・福岡・広島と暖かい地方が主な産地となっています。最近では、中国の畳表やい草以外の素材を使って畳表風に仕上げた製品もあります。しかし、長年続くお寺の畳は国産のい草という強い想いは、葛巻内装も同じ。

そこで、日本のい草のうち95%を生産している『くまもと畳表』を採用しました。天然染土を使って染めている、着色剤を使用していないなど、細部までこだわったい草です。ござと呼ばれる部分にはい草を約7千本も打ち込みました。

畳のお手入れについて

住職

小さい頃から畳がある環境でしたが、取り扱いについてはまだまだ知識が足りない部分であります。
畳を新しくしたのをきっかけに、畳を長く大切に使っていただけたら嬉しいですね。

武澤

長年畳を扱っている武澤が畳を長く使ってもらうためのポイントをお伝えしました。まず大事なのは湿気を溜めないこと。湿気や人のフケを肥やしにダニが発生してしまうのです。掃除機をかけるときは、畳の目に沿ってかけると畳を痛めません。たまに時間があるときは、ホウキで掃くとい草の表面にツヤが出るのでおすすめです。

大敵である湿気を溜めないためには、空気の通り道を作ってあげると、カビが防げます。日々の拭き掃除は乾拭きが一番。水拭きは、どうしても汚れが目立ったときに抑えるのがポイントです。有害物質を取り除く効果もある畳。湿気もコントロールしてくれる畳は、雨の多い石川県の気候にも適しています。

住職が感じる畳の魅力と普土会の大役について

新しい畳の良さ

武澤

新しい畳はいかがですか。
もうい草の匂いが、以前の畳と全く違います。法事で小さいお子さんが広い畳の上を歩いたり、寝転がりリラックスしている姿をみると、い草の匂いで癒やされていると感じますね。

住職

新しい畳は、裸足で歩いてみると感触が違います。い草の匂いには人をリラックスさせる効果があり、居心地が良いです。お寺に漂うピリッとした荘厳な空気をい草の匂いが和らげているのかもしれません。また、畳は木の床に比べて音を吸収してくれる効果も。たくさんの人が出入りするお寺に畳が使われているのには、日本の気候や風土に適していただけでなく、人にも優しい効果があったのです。

普度会(ふどえ)としての大役

住職

今年はさらに大きな行事が続きます。長久寺は今年普度会(ふどえ)の10年に一度の宿寺(当番寺院)なのです。
晋山式もあって、宿寺とはおめでたい年ですね。こんな年に仕事をさせていただいて嬉しいです。

武澤

毎年、金沢の曹洞宗のお寺では、江戸時代のときにおこった大飢饉の犠牲者を追悼しています。曹洞宗のお寺が持ち回りで宿寺の担当しています。2019年は長久寺が宿寺。大きな行事が重なる前に畳を張り替えられ、お参りしてくだる皆様を最高の状態でお迎えできることが嬉しいと、微笑む住職が印象的でした。

令和元年という節目に立ち会える喜び

長久寺にとっては、正に節目の年となった2019年。先代から新住職へと交代する晋山式、さらに曹洞宗寺院にとって重要な行事である普度会の宿寺まで。大きな行事が重なる年に葛巻内装が手がけた畳を、長久寺にお納めすることができたこと、大変嬉しく思います。また昔、畳を納めさせてもらったお寺とも関係があるとわかり、さらにご縁を感じました。住職とお寺のことや畳についても、じっくりお話できました。(武澤)

実際に武澤社長とお話させていただいて、畳に対する豊富な知識に脱帽でした。それだけでなくお寺で使われる畳についても、ご自身で調べて知識を深められていて、感心するばかりです。畳とお寺は切っても切れない関係ですが、畳について取り扱いに関しては知らない部分も多く、新調した畳と末永く付き合っていく上で、勉強になりました。今回、葛巻内装に畳をお願いして本当によかったです。(住職)

曹洞宗・長久寺

〒921-8033 石川県金沢市寺町5-2-20
電話:076-241-2727
駐車場 :5台
アクセス:金沢駅からバス約15分:寺町三丁目。
:寺町五丁目。
下車徒歩約2分、またはタクシー約15分
ホームページ https://cho9ji.com/
Facebook https://www.facebook.com/tyoukyuji

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